Serve21-0-Introduction

外山茂樹/21世紀へのメッセージ

地球環境を救う かけ声たちを総点検

外山茂樹 編

地球環境戦争の行方を占う


目 次

はじめに/ダイジェスト

§1.「もったいない」というお念仏

§2.「リサイクル」というお題目

§3.「持続可能」というつじつま合わせ合わせ

§4「科学技術」という両刃の剣
―長い歴史の尺度で点検すれば―

§5.「豊かさ」で「幸せ」の扉は開かない
―地球環境を戦勝国には任せられない―


§6.「締め括りは情報革新が生み出す
教育と国際協力
―核家族化は地球を駄目にする―


はじめに/この本の概要

世の中には、分かりきったことが実はよく分かっていなかったということは、よくある話です。それが身の回りの差しさわりのないことならばたいした事ではないが、それで世の中の人が一緒になって取り返しのつかないことになってしまうこともあるでしょう。戦争を始め人間の歴史を振り返れば、そういう事だらけです。だから今現在、この目の前にもいくらでもあると考えた方がよい。ここでは21世紀最大の課題とされている地球環境をとりあげ、上の絵のなかに書いてある5項目の「括弧」で括っている“かけ声”について、どこまで分かっているか点検してみました。そして誤解のない理解に基づいて、最後に地球にやさしい教育と、核家族化を補う福祉活動の義務化を提言して締めくくっています。

題材は地味な大学の工学部「資源・環境学」という講座に関連する講義録をベースにしていますが、理系とか文系といった知識の枠を超越して、東西の文明や歴史と照らし合わせて思いをめぐらせ、考えたことを一般向きに分かりやすくまとめてみました。目先の政治や経済という色メガネを外し、かの戦争を含む長い人生経験から長い時間の歩幅で眺めると、見逃されている大事なことがたくさん見えてきます。それらを多くの挿絵や身近な会話形式を交えて分かりやすく説明してみました。そうすると、地球環境問題の本質について、自分でも目から鱗となることがらをいくつも考えつきました。地球に逆襲されないために、これから進む人類の行方を照らし出し、転ばぬ先の杖となることを願ってまとめてみました。

「工学」などというと敬遠されそうですから、ここでは忙しい世の中に合わせて、見出しのパラグラフを小分けにし、それぞれにイラストをつけて、そこだけ読んでもわかるようにまとめてみました。「そんなの関係ない」というパラグラフや、分かりきったこと、またその反対のわけの分からないことに、無駄な時間を費やすことはありません。題目では「総点検」といっていますが、人のなすことに完璧はありえません。読む方も1部点検は当然「想定内」でと考えています。

●このホームページでは6つの章の概要と、それぞれのパラグラフの目次を表記しています。パラグラフの表題をみて、読んでみたくなったらそこをクリックして下さい。全文が表示されます。読まれて感じたことは気楽に下記までメールで知らせて下さい。提言でも反論でもなんでも歓迎いたします。それらをベースにして、このページの内容もヴァージョンアップしてまいりたいと考えています。

編者の “つぶやき” そして “おねがい”

●「分かりきったこと」として通用していることが、実は誤解されていたり、よく分からないまま話が進んでいるのではないかという危惧の念を抱くことがしばしばあります。それがこの掲示を書く動機でしたが、いざ出来上がったものをみると、編者自身も実は本当に分かっているのかな、これでよいのかなという気持ちは禁じえない。新しい見方、新しい考え方には常に考え違いや見落としを伴うものである。ましてや、科学技術の分野で世の中に貢献しようとしてこれまで生きてきた者が「科学技術はもうたくさん」だとか、「地球を戦勝国に任すな!」とか、生半可に歴史を紐解き、哲学や思想を論じたのです。この晩節にとひるむ心の後ろから、肩を押すのは孟子の次の言葉です。

人不可以無恥 無恥之恥 無恥矣
(人は恥なからずべからず、恥なきを恥じれば恥なきのみ)

“生きてるからには恥をかかないのはおかしい”つまり『恥はエントロピーである』という意味です。
最後までもったいぶった話にお付き合いいただければ幸いです・・・。 そして気軽に感想をお待ちします。

外山茂樹/とやましげき

1930年生まれ、通商産業省を経て名古屋大学教授「資源・環境学」講座担当、現在名誉教授
一般向け著書「地球環境と資源循環」、「ドイツの原子力物語」、「核分裂絵巻」他

<このテキストの目的>
畢竟じて何のために・・・? 一人・ひとりが考え(気付き)、自分の言葉で語り、歩み始めたい!

編 集
外山茂樹


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