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Contets-4 共鳴/はーとすとりんぐす

掃除(そうじ)の本

第1章 邂逅

きれいな水のあるところに 美しい表面が のこされるのではないでしょうか

5.ぞうきん(雑巾)

ぞうきん

小学生のころの
掃除当番を思い出しませんか?

机を前後に寄せて
掃き掃除
拭き掃除
拭いては濯(すす)ぎ 濯(すす)いでは絞る

そのたびに
バケツの水は 真っ黒になります
絞っては捨て 絞っては流す

やがて
床の木地が現れ
木目が見えてきます

ふと気がつくと
真っ黒になって
ぼろぼろに擦り切れた“ぞうきん”

床に落ちている

あのころ
そんな“ぞうきん”を
手で持つのがイヤだった

でも
汚いと思った あの“ぞうきん”は
何だったのでしょう

“ぞうきん”は
拭き取ったものを
水に託す

水は
それを受容し 拡散し 自然に還し
やがて
また美しい姿に戻っていく
磨かれた表面を残して

『美しい姿になりたい』

『優しい肌になりたい』

「木」の
そんな願いを
「ぞうきん」 も 「水」も
聞き届けてあげたいと
願っていたのでしょうね

もう一度
「水」と「ぞうきん」で
磨き上げられたあの床の上に
素足で立ってみたい

そして
あの日の
木の願いに
こころを添わせてみたい
美しい姿になりたかったんだよね
みんな


あなたのそばに
そんな
表面はありませんか




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